12月議会個人質問③図書館事業

1 特定事業について
1-1 質問
まず特定事業についてお尋ねします
行財政改革の一環として実施した「事業等の戦略的たな卸し」において継続課題となった事業が「特定事業」に選定されており、図書館事業はその一つです。平成25年には「特定事業の見直しについて」がまとめられ、図書館事業のあるべき姿の一つとして、事業コストを平成32年度までに市民一人当たり2000円を下回るコストとするという目標値を設定されていましたが、28年度までの経過はどのようになっているでしょうか。
1-2答弁
セルフ貸出機の導入などによる効率化を図ることで、定数の削減とともに開館日の拡大などサービスの向上に努めております。平成28年度の事業コストにつきましては平成27年度決算2,566円とほぼ同程度であり、平成25年度ベースと比較して2%程度の減額となっております。
1-3 意見
3年後の目標値達成には、2%ではなく20%、事業規模は10億程度だがその中で2億円程度の経費削減が必要になります。目標達成は相当厳しいものがあると思います。そのことを前提に以下の質問を続けます。

2 資料購入について 
2-1 質問
①図書館数などを考慮すると書籍によっては複数購入することもあるかと思います。そこでまず1館に2冊程度と考えて、同じものが20冊以上ある書籍の数を教えてください。②また、このような複本の是非については議会でも議論があり、たとえば平成24年度の委員会では、最も多い本で40冊程度の複本があるとの事例が紹介され、また委員からは無料の貸本屋と言われないように複本購入は控えるべきではという趣旨の意見もありました。そもそも資料収集方針には複本に対する考え方が示されていないように思うが、なにか文書はあるのでしょうか。また議会での意見を受けて複本の購入のありかた、具体的には購入上限数を設けるなど何らかの対応はされたのでしょうか。

2-2 答弁
現在の蔵書全体のうち、20冊以上の複本がある書籍の数は、郷土資料を除きますと、73タイトルになります。
図書館資料の選択にあたっては、常に市民の需要を基礎とするとともに、長期的利用にも十分配慮し、文化的、資料的価値の高い蔵書の構築につとめることを基本的な姿勢とし、多様な資料情報の提供を第一義としております。予算の効果的効率的な執行という意味からも、一冊の書籍について一冊購入検討することをスタートラインとしながら、類書の利用状況やリクエスト件数等を勘案しつつ必要に応じて複本を購入しております。
選書基準のなかで、複本についての言及部分としては、文学について、「ベストセラーなど利用の多いものは、利用状況に応じ複本の収集も考慮する。」とありますが、具体的冊数についてはとくに言及しておりません。
従来から、限られた資料費を有効に使うために、豊中市立図書館全体として、できるだけ幅広く多様な本を蔵書としてそろえていくことや、一つのテーマについて、簡単な入門書から大学の一般教養程度の内容のものまで、さまざまな本を購入することが大切と考えております。
従いまして、ベストセラーで数百件の予約がある場合でも、複本数には一定の限度があるものと考えており、この考え方について変更しておりません。
2-3 質問
次に文庫本やまんがの購入についても、資料収集方針に考え方が特に示されていませんが、どのような考え方で購入しているのでしょうか。特に文庫本については出版社にとって収益の柱であることからもさまざま意見があり、今年も大手出版社長が図書館に文庫本の貸し出しをやめてほしいといった趣旨の発言をされ波紋が起きています。こういった意見に対し市としてどのように考えていますでしょうか。

2-4 答弁

出版社社長の発言は、「確たるデータはないが、近年、文庫を積極的に貸し出す図書館が増えている」として「文庫市場低迷の原因などと言うつもりは毛頭ないが、少なからぬ影響があるのではないか」という内容でした。他方では、「図書館が買って、多くの人に読んでほしい」とする出版社もあり、話題になりました。
豊中市立図書館では、文庫本の購入につきましては、一般書に準じて判断することとしております。
文庫オリジナルのものは原則として収集し、今後も利用が予測できる資料の新版については、活字が大きくなったもの、新たに解説などが付加されたものは、収集することとしております。
マンガにつきましては、主に成人書として収集をしていますが、読者として子どもも視野に入れ選書収集しております。原則としては、連載が完結し、一定の評価の定まったもの、形態として破損しやすいものは避ける方針で収集しています。さらに、歴史・伝記・実用書等のマンガ形式の本につきましては、各分野の収集基準に照らし合わせて収集しております。

2-5 意見
複本の数については、以前と変わらず、例えば小説ですが蜜蜂と遠雷という小説は40冊の所蔵で565人の予約があります。私は複本についての図書館の見解と実際の運用がかい離しているような気がします。仮に20冊以上の所蔵のある73タイトルにつき10冊購入を控えると、単価1500円ならば計100万円ほどになり、ご答弁のような、より幅広く多様な選書に繋げられると考えます。複本購入の運用見直しを要望いたします。また文庫・漫画についてのお考えは一定理解をいたしますが、他方で図書館が購入する必要があるのかという市民のお声もいただいております。市の見解をホームページなどで説明されることを要望いたします。

3 施設配置について
3-1 今年度、図書館協議会では中央館構想というものがテーマになっていますが、あまりこれまで議論されてきたイメージがありません。中央館構想とはどの様な内容で、またどのような経緯で今年度の議論のテーマになったのか教えてください。あわせて過去の協議会の答申等でいわゆる中央館に関する意見にはどのようなものがあったのか教えてください。
3-2 答弁
施設配置につきましてはこれまで図書館協議会でご議論いただき、提言や答申をいただいてまいりました。その後「公共施設等総合管理計画」等、将来にわたる安定した市政運営をめざす市としての方向性や施設の老朽化等市立図書館を取りまく状況の変化を総合的に勘案する必要が生じてまいりましたので、現在教育委員会において(仮称)南部コラボセンター開館後のありようについて、中央館機能を持った図書館を核とする施設配置の検討を進めております。図書館協議会におきましても、委員会内部での議論の経過をお示ししながら、様々な角度でご意見をいただき、それを参考にしながら検討を進めております。
過去の図書館協議会のご意見につきまして、平成2年度の図書館施設計画に
ついての提言では、本市においても、人口規模や市民の学習・文化的ニーズの高いことから、高レベルの中央図書館の建設が望まれるが、当面は分館・分室を優先すべきであるとなっております。また、平成25年度の施設配置についての答申では、財政的見通しの観点から大規模中央図書館建設は現状からは考えにくいとのご意見をいただいております。
3-3 質問
昨日は自治体間連携が議論されていました。図書館も例えば、市の中央館という枠を超えて、より広域で北摂の近隣市と連携しての基幹図書館というような考え方はありうるのでしょうか。
3-4 答弁
現在の広域利用については、それぞれの市町における図書館ネットワークを前提として、市民サービスの向上の観点から相互に利用するものであり、北摂地区全体の基幹図書館を設置することは想定しておりません。
3-5 意見
中央館構想について経緯は理解をいたしました。市として検討する必要があるとは思いますが、過去の協議会でのご意見は厳しいものですし、冒頭の特定事業としての2億円削減というコスト目標もお忘れにならないよう要望いたします。また北摂近隣市と合同で大規模図書館を運営することは難しいとは思いますが、広域でのシステムの共通化やピークを過ぎた蔵書の管理など近隣市との更なる連携が必要と申し上げます。

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