9月議会個人質問②少人数学級について

9月議会個人質問では少人数学級について質疑を行いました。教育委員会は次年度から順次小学校3年生以降の35人学級編成事業を実施されようとしているが、増えたクラスの担任となる講師について、質を維持しつつ確保していくことは、この教師の成り手不足の状況では困難ではないかといった視点などから議論をしました。市独自の少人数学級に取り組んできた自治体のなかには、これを廃止するところも出てきています。

 

質問1

小学校3年生以降の少人数学級についてお尋ねします。
その費用対効果や質を維持しつつ人材を確保することが課題と思います。まず豊能地区教員採用選考テストの小学校採用についての近年の状況について教えてください。
また、学校教育充実支援事業によって増学級される学校には一般職非常勤講師が配置されていると思いますが、今年度の配置状況についてはどのようになっているのかも併せてお答えください。

(1問目答弁)

豊能地区教員採用選考テストは平成26年度実施から豊能地区で単独実施してきております。小学校の状況につきまして申し上げます。
平成26年度実施は4.8倍、平成27年度実施は4.4倍、平成28年度実施は4.4倍、平成29年度実施は3.7倍、平成30年度実施は4.6倍でした。
倍率については、大阪府よりも高い値で推移してきております。学校教育充実支援事業につきましては、全部で12名定員であったところ、一般職非常勤職員の任用手続き期間までに任用できたのは10名で、2名は臨時職員対応となっております。

質問2

豊能地区で3.7倍だった平成29年、大阪府は3.6倍というようにあまり変わらない年もあり、豊能地区といえど今後の教諭の質の確保ですら決して楽観視はできません。また学校教育充実支援事業の一般職非常勤講師も手続き期間内に定員分すべてを採用することができておらず、綱渡りの状況です。
またこの夏、大阪府下で市独自に少人数学級をされている自治体に効果や人材確保の点につき伺いました。その効果については他の市のことですので言及は差し控えますが、少なくとも人材確保については非常に苦労をされているようです。中には少人数学級実施のための市費負担教員採用の倍率が1.1倍程度で質の確保という観点からは厳しい状況のところもあります。
このような中、教育委員会は次年度から順次3年生以降の35人学級編成事業を実施されようとしているが、質を維持しつつ人材を確保することにつきどのように考えているのか。

(2問目答弁)

子どもたちに対する良質な教育においては、教職員の力量が非常に重要であることから、優秀な人材の確保は本事業において大きな課題であると認識しております。担当課は早い段階から近畿圏内の大学にとどまらず、地方の大学まで人材発掘に努めておりますとともに、現在学校教育の場では勤務されていない、免許状取得者で教員志望のある人材の発掘にも努めております。
子どもたちにとって、質の高い教育を保証するためにも優秀な人材確保に努めてまいりたいと考えております。

3問目

人材確保について様々な大学に行かれたりしているということですが、先ほど触れました先行して少人数学級を実施している府下各自治体でもすでに同様の取り組みを行っており獲得競争は厳しくなることが予想されます。
極端な話、小学校3年以降の35人学級を制度化すれば、質が維持できなくても制度維持のために講師を採用せざるを得ないのではないか。そのことによる児童、学校への負の影響は大きいのではないでしょうか。
教育監にお尋ねします。
市独自で少人数学級を行っている、そういった先進的な取り組みをしている自治体があると思いますが、そういったところで廃止をしたという自治体というものがあるかどうか、教育監のご存知の範囲でお答えください。

(3問目答弁)
中核市で35人学級を拡充しておりましたがその後縮小したという事例については聞いております。ただきめ細やかな教育につながるものですので充実させていきたいと考えております。

意見

いま、中核市の事例についてご説明いただきました。ちなみに埼玉県志木市では市独自に先進的に少人数学級に取り組んできましたが昨年度末で廃止をしました。理由を簡単に説明すると以下の3点です。①市独自採用の教員の確保が困難になった。②採用倍率が下がり、残念なことですが教員の指導力に関する問題が看過できない状況になった。保護者から「指導力に不安がある。」という声もでており、実際クラス担任を続けることが難しく1学期で辞職した教員の事例や、指導力不足の教員を助けるために他の教員がサポートに入った結果、学年全体の教員にかえって負担がかかった事例などがあったとのことです。また人材確保の観点だけでなく③これまでは、一斉指導が教育の中心となっていましたが2020年度から実施される新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が求められおり、そのために必要な学習活動については、少人数学級の維持よりもむしろ複数の教員で指導にあたり、きめ細かに児童の様子を見ることが効果的と判断したから、ということです。
また、同様の観点から今年度これまで実施してきた少人数学級の廃止を検討している自治体も存在しています。
少人数学級の効果についてはこれまでもご答弁いただいていて市では効果が高いと評価されていますが、必ずしもその効果は明らかではありません。むしろ「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けこのように複数教員での指導を行うとか、先生のご負担を軽減し児童・生徒に向き合う時間を増やす効果などがあるスクールサポートスタッフ制を大幅に導入するなど、限られた財源の中ほかにすべきことは多くあると考えます。そろそろ次年度に向けて少人数学級実施にむけての人材募集を開始されると思います。市独自の少人数学級を廃止する自治体が出てきているという情勢も踏まえられて、実施を思いとどまっていただきたいと申し上げます。