事業の利用状況
いわゆる「小1の壁」への対応として令和6年度から約7,000万円の当初予算をつけて始まった小学校校門の朝7時開門事業(午前7時から登校時間の午前8時まで、通学する小学校及び義務教育学校の体育館等で児童を見守り員2名で見守る事業)の利用状況については以下のようになっています。
令和7年1月末時点での1校当たりの平均利用人数は2.28人です。利用児童の学年別分布及び利用回数の分布・最大値につきましては算出していませんが、低学年の利用が多く学年が上がるにつれ少なくなっています。利用児童の一人1回当たりの市負担コストにつきましては、令和6年度予算ベースで、約3,950円です。
令和7年度の事業拡充
令和7年度より、春休み・夏休み・冬休みのいわゆる三季休業中も実施します。またこれまで事業利用に当たっては保護者の付き添いが条件でしたが、おおむね午前7時30分以降に自宅を出る場合は付き添いは不要となりました。(なおこの場合でも①新1年生は1週間程度は付き添いをお願いします、また②7時30分以降であっても可能な限り児童の付き添いにご配慮ください、との案内が教育委員会よりなされています。)令和6年度の事業開始後に行われた利用者アンケート結果で声があったことから25年度はさらに予算額を増やして事業拡充が行われました。
なお三季休業期間中にも事業拡充しますが、実際の利用者は午前8時開始の放課後こどもクラブの利用者に事実上限られることになると思われます。
事業の課題
事業の課題の一つとしては事業コストが挙げられると思います。
利用児童の一人1回当たりの市負担コストについては、先ほど書きましたように令和7年1月末時点の令和6年度予算ベースで、約3,950円です。
他方で事業の利用にあたり保護者の費用負担はありません。令和8年度以降も事業を続けていくということであれば場合によっては利用者負担を求めていくことも考える必要がでてくると思います。特に令和7年度に拡充される三季休業中の利用については、放課後こどもクラブ利用の児童に事実上限られることになりますので、特に有償化が求められるのではないでしょうか。
また、もう一つの課題としては、小学校ごとに利用者の数にばらつきがあることです。令和7年1月末時点では、1日あたり平均利用者数が一人を下回っている学校が39校中17校と4割を超えています。なお利用者の少ない小学校について、この事業の一時休止の必要性の有無を令和7年度開始より概ね2ヶ月経過地点で判断していく予定となっています。
なお市が取り組む朝7時からの小学校見守り事業は、社会の働き方改革が進まない中でのいわば対処療法といえ、「小1の壁」を壊すための本質的な取り組みではありません。本丸である事業所の働き方改革の支援を市としてまた国、府と連携して一層強化する必要があります。