依存症対策
最後に、依存症対策についてお尋ねいたします。まず、そもそも依存症とはどういったものでしょうか。依存症は疾患の一種なのかということも含めて教えてください。1問目を終わります。
◎健康福祉部長(直川俊彦) 依存症とは、特定の物質や行動、関係に強迫的にとらわれ、自分の意志で欲求をコントロールできない状態を意味しております。依存症は大きく3つに分類され、アルコールや薬物、食べ物など物質に関する依存症、ギャンブルや買い物、インターネットなど行動・プロセスに関する依存症、DVや虐待、共依存などの人間関係に関する依存症がございます。このうち、病気と定義されておりますのは、物質に関する依存症と行動に関する依存症の2つで、主に精神保健医療分野で対応しておりますので、よろしくお願いいたします。
◆花井慶太 アルコールや薬物といった物質、ギャンブルといった行動についての依存は疾患であるということがわかりました。単にあの人はギャンブルがとても好きな人だと周りから見られている人が、実は依存症という疾患を抱えているかもしれないという点で、依存症はそもそも疾患と理解されにくいという特徴があると思います。また、ギャンブルやお酒におぼれている方への世間の目というものも、あの人はだらしがない人だという評価になりがちで、依存症という疾患への理解も進んではいないと思います。
では、次にお聞きしますが、競馬、競艇、パチンコなどのギャンブル依存症について、現在どのような対策を具体的になされているのでしょうか。相談に来られた方についてどのような対応をなされているのか、教えてください。また、その中で感じておられる課題について教えてください。
また、公営ギャンブルやパチンコなどについて、事業主体によって依存症対策についての何らかの市への支援などはあるのか、また支援を求めていくべきではないか。また、わが市では大阪府都市競艇組合に加入しており、平成25年度決算では、競艇組合収入分配金8,600万円ほどがございます。そこで、その一部を依存症対策強化に充てていくといったことは考えておられるのでしょうか。市の見解を教えてください。2問目を終わります。
◎健康福祉部長(直川俊彦) ギャンブル依存症につきましては、ギャンブルによりさまざまな生活問題を抱えた本人・家族からの相談に対して、保健所の精神保健福祉相談の中で、精神科医による依存症に関する見立てや対応方法、医療機関や自助グループ等の情報提供など助言を行っているところでございますが、相談件数は年間二、三件と極めて少ないのが現状でございます。
現在、現場で感じております課題といたしましては、本人や家族等に病気という認識がなく相談につながりにくいこと、また専門医療機関が少ないため適切な医療につなぐことが困難であるということがございます。
次に、財政的支援等につきまして、現時点では事業主体による何らかの支援というものはございませんが、そもそもアルコールや薬物と異なり、国におきましてもギャンブル依存症に対する具体的な施策は示されておらず、本市といたしましても、ギャンブル依存症に対し疾病対策と位置付けて何らかの施策を策定するには、今のところ判断材料が乏しい状況でございます。したがいまして、その財源につきましても、施策の方向性等が明確化した段階で考えていくべきであると認識しておりますので、よろしくお願いいたします。
◆花井慶太 競馬、競艇など公営ギャンブルが営まれているが、国としてギャンブル依存症に対する具体的な施策が示されていないのは残念であります。豊中市は競艇組合に参加して分配金を受けています。そのお金は舟券を購入した方から間接的にいただいているわけで、そのような方々の中には依存症に苦しんでおられる方もいらっしゃるでしょうから、市として何らかの対策が求められてしかるべきだと思います。また、パチンコが遊戯なのか賭博なのかについてはこの場で議論いたしませんが、パチンコ依存症で苦しんでおられる方もいらっしゃると思いますので、業界団体などとともに市として依存症問題に取り組んでいただくことも検討していただきたいと要望いたします。
次に、アルコール依存症については、アルコール健康障害対策基本法が施行されましたが、これにより豊中市としてどのようなことを事業として行っていくのでしょうか。ギャンブル依存症等に比してアルコール依存症対策について特有の課題があれば教えてください。3問目を終わります。
◎健康福祉部長(直川俊彦) ことし6月1日にアルコール健康障害対策基本法が施行され、今後2年以内に国による基本計画及び各都道府県の計画が策定されることとなりました。それらに基づき、各基礎自治体において知識の普及啓発、健診等における発見と必要な保健指導、治療や社会復帰に関する相談支援など具体的な取組みを行っていくこととなります。
本市では、従来疾病予防のための正しい知識の普及とともに、早期発見並びに治療・回復支援といたしまして、精神保健福祉相談及び家族教室を実施してまいりましたが、アルコール依存症の特性といたしまして、本人のみならず家族、社会に病気という認識が乏しく重症化するまで相談や治療につながりにくい、また相談につながっても専門医療機関の不足や従来の治療方法が断酒しかなかったというハードルの高さもあり、容易には治療につながらないという課題がございました。
このようなことから、本市におけるアルコール健康障害対策といたしましては、従来の依存症者の発見と対応から、依存症への移行を食いとめるということに軸足を移し、平成27年1月から医療・福祉・労働・警察等関係機関との連携を図りつつ、放置すれば依存症に移行すると考えられる多量飲酒者を対象とし、認知行動療法の手法を用いて飲酒量を減らす集団節酒指導を実施してまいりますので、よろしくお願いいたします。
◆花井慶太 アルコールについては、酒は百薬の長、コミュニケーションの潤滑油とも言われております。しかし、アルコールは依存症になってしまうと、依存症そのものが疾患であるとともに、多量の飲酒の継続により、身体をもむしばむ可能性があります。夕方ぐらいになってくると、お酒のことが気になって仕事が手につかなくなる、飲酒のコントロールができない結果として酩酊し暴れたりするなど、本人、さらには家族なども苦しんでいる可能性があります。また、相談するにもどこに行けばよいかわからない方が多くいらっしゃると思います。
アルコール健康障害対策基本法の趣旨にのっとり、市でも先ほどご説明いただきましたような集団節酒指導、これは先般ご案内いただいたHAPPYプログラムの青いチラシなんですけれども、こういったものをぜひ積極的に進めていただきまして、アルコール依存症対策をとっていただきますように強くお願いを申し上げます。