質疑の概要
(1問目)
このたび、安倍総理の正式表明によって、2017年4月に予定されていた消費税率10%への引き上げは、2019年10月まで再延期されることが実質的に決定しました。この延期について、そもそも延期ではなく中止すべきといった主張もありますが、少なくとも来年4月に10%にしないという点でいえば主要政党間で一致していると思います。今回はこの決定が豊中市に与える影響について何点かお尋ねしたいと思います。
まず、今回の消費増税を延期したことが市の財政に与える影響について概略をお示しください。
(1問目答弁)
消費税率引き上げの延期については、直接的には歳入において地方消費税交付金の額に影響を及ぼします。景気動向等に大きな変動がないとの前提で、平成29年4月に消費税率が10%になっていた場合と比較しますと、平成29年度で約10億円、地方消費税交付金が平年度化する予定であった平成30年度では約26億円の歳入減が想定されます。
しかし一方で、平成29年4月に実施予定とされている税制改正も消費税率引き上げの延期に伴って延期になる可能性があることや、消費税率引き上げの延期による景気への影響、国の地方財政に対する財源保障の動向、また、歳出面においても当初予定していた社会保障施策をどこまで実施するかなど、不確定要素も多いため、今後も国の動向を注視していきたいと考えております。
(2問目)
いま、ご答弁いただきましたように、一定の前提があるとして2年間で36億円の歳入減が想定されます。これは景気動向に左右されるものの比較的明らかなことと言えます。他方で、そもそも増税分には❶今後の社会保障費の増加を賄う部分と❷新規社会保障施策にあてる部分すなわち①受給資格期間の短縮、低年金受給者への給付といった公的年金改革や②子育て支援充実といった部分などがあります。これら❶今後の社会保障費増についての地方財政に対する財源保障や❷新規施策部分については極めて流動的になるというのが先ほどの答弁からしても想定されると思います。このようにわが市の財政運営に大きな影響を与えかねない今回の増税延期でありますが、市として賛成なのか反対なのか、また国に対して市長会等通じてなにか意見要望をされておられるのかについて教えてください。
(2問目答弁)
社会保障と税の一体改革において、取り決められた地方消費税交付金は、地方自治体の貴重な財源となっています。
今回の消費税率10%への引上げの2年半先送りに伴い、社会保障施策の推進に支障が生じないよう、国で必要な財源はしっかり確保するよう全国市長会を通じて要望しているところです。
一般財源総額の確保がどのようになされるのか、今後も国の動向等を注視していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
(3問目)
さて、少し話をかえますが、現在市では中期行財政運営方針(素案)に対するパブリックコメントをすでに実施中です。消費増税延期を踏まえた素案に変更して市民の皆様から意見を賜るのはむつかしいことですが、最終的に方針を正式決定される際には、消費増税延期による数字の見直し、またそれに対応するための取組等の見直しが必要になると思いますが市のお考えをお聞かせください。
(3問目答弁)
現在パブリックコメントを行っております中期行財政運営方針においては、平成29年4月に消費税率が10%になる見込みで作成した収支見通しが掲載されております。同方針については7月中に公表予定としておりますので、消費税率の8%据え置きを含め、その時点での最新の情報に基づいた収支見通しを掲載してまいりますので、よろしくお願いいたします。
(4 意見)
冒頭申し上げた通り少なくとも来年4月に消費税率10%にしないという点でいえば主要政党間で一致していると思います。明日より参議院選挙が始まるわけですが、政党間で増税延期により影響を受けうる社会保障施策について財源を含めて議論をすることが必要と考えますが、また市におかれましても、消費増税延期によって市財政がうける影響について明らかになったものについては今回の再延期のみならず一回目の延期分を含めて広報等を通じて納税者の皆様にお知らせいただければと思います。会派といたしましても消費増税の延期による今後の影響を踏まえつつ市の持続可能な行財政運営確立について真摯に取り組んでまいりたいと考えております