本日9月議会2日目でした。
本日は議案の採決等のあと個人質問があり、私も質問に立ちました。
以下質疑の概要です。
・退職手当について
花井1
先般、国家公務員の退職手当につき 閣議決定がなされました。その概要とそれを受けて豊中市としてどのように取り組むかお考えをお聞かせください。
総務部長1
国家公務員の退職手当については、人事院から示された退職給付に係る官民比較調査の結果等を踏まえ、退職手当の支給水準を段階的に引き下げる旨の閣議決定が行われました。
本市職員の退職手当についてはこれまで国家公務員の退職手当の均衡を考慮しこれに準じて必要な措置を講じてきたところでございます。引き続き国家公務員の退職手当の見直しの動向に応じて関係団体と協議してまいりたいと考えております。
花井2
国家公務員の退職給付が民間に比べて平均400万円程高くなっていることの是正を求め、地方公務員についても、これに準じて必要な措置を求める内容だったかと思います。閣議決定の趣旨に沿った措置に向けた協議をお願いたします。
ところで、市長の退職金については、近隣でいえば確か吹田、茨木市長さんが50%カットされ、箕面市さんも退職金の計算式において豊中市に比べ低い設定をなされているからでしょうか、市民の方からも豊中市長の退職手当のことを聞かれたりします。また特別職報酬審議会でも議論の対象ではないようです。そこで淺利市長に、お尋ねします。ご自身の退職手当について減額、現状維持など、どのようにお考えか教えてください。
総務部長2
市長等特別職の退職手当についてはそれぞれの職務と責任に応じて決定されるべきものと考えております。本市は本年4月に中核市に移行しましたが41市ある中核市の比較におきましても市長等の退職手当の額は妥当なものと考えております。したがいまして、現地点で市長等の退職手当を減額する考えはございませんのでよろしくお願いいたします。
花井3
市長に質問してますのに総務部長の答弁が返ってきました。失礼かもしれませんが部長が答弁できることなんですかね。他市の議会とか見てますと、指名をした場合普通に市長が答えてはりますよ。まあ、お答えいただけなかったこと、そういう体質も含めて市民の皆様にご報告させていただきたいと思います。以上で退職手当に関する質問を終わります。
(このあと市長の発言がありました。内容は後日アップします。)
・図書館事業
(花井1)
図書館に関する質問に入ります。私は読書が好きで図書館にはお世話になっております。そして人が生きていく中で様々生じる課題を解決していくための場として図書館は極めて重要な施設と認識しています。そのような立場から質問をさせていただきます。
まず、①平成14年と平成23年決算の数字の比較で確認したいので、図書館費、そのうち報酬、給料、職員手当、共済費、賃金という広い意味での人件費の数字について、増減のパーセンテージもあわせて教えてください。
②豊中市ではおとなりの吹田市と違い、週1回の休館日があるため、開館日数につき年間50日程度の差が出ており、市民から不満の声も頂いております。なぜこのような差が生じているのか答弁を求めます。
(教育委員会生涯学習推進部長1)
まず図書館費は平成14年度約10億9000万円、平成23年度約10億2900万円で約6%減、人件費は平成14年度約7億4900万円、平成23年度約7億3300万円で約2%減となっております。
次に開館日数につきましては、開館日の拡充をサービス指標として重視しており経費を投入して人員配置が行われていると聞き及んでおります。本市では、平成22年から4地域間の祝日開館を実施したほか、休館日ずらすことにより年間350日は市内のいずれかの図書館が開館しております。今後多角的に工夫することにより市民サービスの充実に向けて検討してまいりますので宜しくお願いします。
(花井2)
図書館費全体で6%、人件費については、2%減っています。これに対し図書資料購入費について、調べた範囲でいえば平成7年ころから同14年度までは約1億円程度計上されています。これに対し平成23年度決算額で交付金によるもの除いて約6500万円です。近年、図書館費の中で資料購入費用が突出して削られていることが分かります。
音楽CDなど視聴覚資料については平成22年平成23年度は交付金以外の購入実績が0です。資料購入経費が少なくなってきていることが影響しています。
この点、音楽配信サービスの導入は何十万曲以上が聴け、市民サービスの向上にもなりますし、職員さんのcdの管理などの手間も簡素化されます。導入された自治体を見ていますと運用コストもそれほどかかってないようなので導入の検討して頂くよう要望します。
ところで平成20年に実施された利用者アンケートでは、本.雑誌等の充実度は利用者にとって重要な事項であるのに対して満足度は低いという結果が出ています。
にもかかわらず、この4年間、資料購入費は増やせていない。開館日数についても吹田にくらべ明らかにサービスが劣っています。これらの課題を解決するためには、人件費と資料費のコスト配分の見直し、業務の合理化による人員配置の適正化と図書購入費用の捻出が必要です。
そこで何点かお尋ねします。
まず、今回実現する図書館蔵書のICタグ貼付ですが、今後、ICタグを活用した自動貸出システム導入による業務の合理化及び人員削減について、いつ頃をめどに実現されるのか答弁を求めます。
(教育委員会生涯学習推進部長2)
図書館業務のあり方及び業務体制については、現在、今後の図書館全体のあり方を明らかにするグランドデザインの策定に着手しており、その中で多様な観点から検討してまいりますのでよろしくお願いします。
(花井3)
つぎに図書館協議会は平成17年に「現段階で図書館に指定管理者制度はなじまない」という提言をだされています。これを元に現在の図書館の方向性が定まっています。ところで日本図書館協会という団体がございまして、ここは指定管理反対の立場の団体かと思います。この団体の現理事長が平成15年に豊中市図書館協議会に入られ平成16年度に諮問、提言が出されたわけです。
また、専門家枠のもう一人のかた、この方は元市職員で豊中市のいろんなところで委員としてご活躍されてきたと思いますが、この方の雑誌等での発言を見ておりますとやはり、指定管理反対の立場です。そしてもう一人の専門家枠の方も元自治体図書館長です。
これでは市民からみて、始めから直営維持の結論ありきといわれても不思議はないと思います。
私は9館ある現体制で、民間運営の図書館を-部導入し、直営と民間でお互いに切磋琢磨しひいては市民サービスの向上を図るべきと考えます。指定管理制度を一部図書館に導入する可能性があるのか 協議会の提言から年数も経過しておりますし、答弁を求めます。
(教育委員会生涯学習推進部長3)
指定管理者制度導入の可能性につきましては制度的には可能であると考えております。先程も御答弁させていただいたとおり、今後も多様な観点から検討してまいります。
(花井4)
指定管理者制度導入の可能性はゼロではないということで理解させていただきました。
また吹田図書館では窓口業務の民間委託を始めましたが、経費という観点からも、また接遇サービスの向上の観点からも効果があったと視察に伺った際、聞いております。そこで窓口業務の委託についても導入を検討されているか答弁を求めます。
(教育委員会生涯学習推進部長4)
本市では図書館間の本の配送や貸出に必要な本の装備等の民間委託を実施してまいりました。一方窓口業務に関しましては職員が直接利用者の声を聞き市民ニーズを把握することでサービスの向上に効果を上げています。窓口業務の効率化につきましても今後も多角的に検討してまいりたいと考えておりますので、宜しくお願いします。
接遇につきましては職員研修所との連携により昨年度も3回の職場研修を実施する等サービスの向上に向けて取り組んでいるところでございますので、宜しくお願いいたします。
(花井5)
さらにお尋ねします。
図書館間の図書の移動については、シルバー人材センターに委託をされています。他方動く図書館のほか、図書室への配本業務については、現在、技能労務職員2名が配置されていると思います。この業務につき同様の業務委託をすることにより合理化を図ることを検討されているのかお尋ねします。
(教育委員会生涯学習推進部長5)
現在、動く図書館は運転手2人がローテーションを組み業務にあたっております。運転業務はもとより駐車場所として道路上や公園敷地内など人通りが多いところも多く、安全性の確保も重要な業務となっております。
また貸出・返却等の補助業務をになうほか、いぶき図書室やバス図書室の本の入れ替えまた大阪市など近隣自治体との図書館間貸出資料また子供文庫などへの団体貸出資料の配本など多様な業務を行っています。
この業務につきましてもグランドデザインとのかかわりの中で検討してまいりたいと思いますので宜しくお願いいたします。
(花井6)
まあ一連の御答弁を平たく言えば、図書館のグランドデザインなどで検討してまいります、ということですよね。
しかし、先日、図書館協議会を傍聴したのですが、そこで示されたグランドデザインの素案では指定管理制度の導入の是非については全く出てきておりません。自動貸出についても、その導入効果を問う市民委員に対し、読書振興課職員は自動貸出化で生まれた時間を使ってのサービス向上という効果があると回答しているわけで、自動貸し出し化による人員削減効果に触れられていない。さらに窓口業務の委託についても触れられていなかったと思います。
要するに何が言いたいかといえば、先程の御答弁のように、「グランドデザインで検討してまいります」とこの場ではいいながら、グランドデザインの素案や実際に審議会での議論ではそんな話は一切していないということです。
もうひとつ言わせてもらうと、図書館グランドデザインの素案をみてびっくりしました。冒頭、「行財政改革の進む中、人員の削減といった効率的運営が求められています」、というプランの目的を掲げながら、全くそういう視点での提案がでていない。何のためのグランドデザインなんでしょうか?
ただ、ここまでお聞きしてきて、図書館というところは豊中市の行財政改革における聖域なのではないかと少々不安になってきました。
そこで行財政再建対策室にお尋ねします。
市全体の行財政改革の取り組みにおける図書館事業の位置づけについて教えてください。
(行財政再建対策監1)
図書館事業につきましては、行財政改革上の重点課題であります15件の「特定事業」の一つとしております。
これらの特定事業につきましては、あるべきサービス水準やコスト等を明示した当該事業の「あるべき姿」、その到達年度、およびその間の取り組み工程を明確化し公表することをめざして取り組んでいるところでありますので、宜しくお願いいたします。
(花井7)
ありがとうございます。図書館事業は市行財政改革の中でも特に重点分野であり聖域ではないということが確認できました。
しかしながら、これまでのような審議会や教育委員会での議論などをもとにグランドデザインが策定されるなら、運営の合理化、人員削減そして結果としての図書購入費の増額、民間企業の感覚を活かしたサービスの向上など望むべくもないわけであります。
図書館においては本が「命」であるにもかかわらず、図書館事業費の中でも資料購入費にしわ寄せがいっています。図書館の基礎土台がやせ細っているわけです。行財政改革を断行し、人件費と資料購入費の比率を正すことにより「市民のための」図書館事業を行っていただくよう強く要望します。
今春でしたか、田中副市長の講演を聞きに行かせていただく機会がありました。
そのなかで、終戦間際の昭和20年に市は図書館を作ったのですよという話をお聞きしました。どういう経緯で図書館を作ったかは確認する必要があるとは思いますが、しかし本、そして読書を大切にする、そういう考えがこの市の歴史としてあることを私は嬉しく思ったのです。ですので、どうか財政的余裕のない現状ではありますが、知恵を振り絞って図書の充実に努めていただきたいそのように思います。