大阪維新の会の会派代表質問が行われました。多岐にわたり質疑が行われました。その中で今回は外国人英語指導助手についての質疑についての概要です。
外国人英語指導助手
1問目
外国人英語指導助手の学校への派遣について、これまでどのような目的でこの事業を実施し、目的に対して効果は出てきているのか、定量的にお示しいただけますでしょうか。また、実際の授業においてどのように先生を補助しておられるのでしょうか。教育委員会と先生と助手の間で目的を共有できているかをまずお聞かせください。
1問目答弁骨子
本事業は、外国語を通して情報や考えなどを理解し、表現し、伝え合うコミュニケーション力を育むことを目的として実施しております。教室内にネイティブがいることで、児童生徒のAETと話してみたいという思いが育ち、学習した英語を躊躇せずに言葉に出す、即興性コミュニケーション力を向上させることができます。
平成31年度の全国学力学習状況調査では、英語が実施されましたが、大阪府平均を「100」とした場合には、本市は「聞くこと」は「104」であり、大阪府平均を上回っています。一方で、「読むこと」については「109」、「書くこと」は「118」であるため、「聞くこと」は他の領域と比べた場合には低いことが課題と捉えております。次回、英語が実施される予定の令和5年度の全国学力学習状況調査の結果も踏まえて分析を行い、今後の取り組みに繋げてまいります。
次に、教育委員会、教員、AETの目的共有については、まず、年度当初に各学校の管理職を対象として、本事業の目的をはじめ、外国語教育の教材やカリキュラムの確認を行う研修を実施しております。また、各学校においては、担当教員とAETがティーム・ティーチングによる授業の準備・打ち合わせを定期的に行っております。
2問目
本事業ではコミュニケーション力を育むことを目的とし、指導助手の補助によって即効性コミュニ―ケーション力を向上できるとのことです。定量的なものとしてご答弁で示された平成31年度の全国学力学習状況調査については、読む、聞く、書くということで、コミュニケーション力向上について直接的に測るものではありません。令和5年度の同調査でもどの程度効果測定につながるか不明です。デジタル機器の活用等により市として効果検証を定量的にできないか検討していただければと思います。目的共有については、一定行っておられるとのことです。特に外国人英語指導助手の方個人個人との目的共有については徹底をしていただくよう要望します。
次にこの事業について将来的には、小学校では80%、中学校では50%の割合の授業について外国人英語指導助手と教員とのティーム・ティーチング授業体制とすることを目指しているとお聞きしていますが、その理由について、今年度及び来年度のティーム・ティーチングの授業割合と併せてお聞かせ下さい。
2問目答弁骨子
今年度、AETの関わる授業の割合は、小学校3.4年生で25% 程度、5・6年生で20%程度、中学校においては14%程度となっております。来年度からの拡充により、小学校で40%程度、中学校で35%程度の授業でティーム・テイーチングの授業体制となる予定です。将来的には、本事業の効果を検証しながら、英語運用能力としての「読む力、書く力、話す力、聞く力」を総合的に向上させるため、年間標準授業時数が小学校3・4年、小学校5・6年、中学校でそれぞれ違うことや、文法などの学習時間とのバランスを考慮し、小学校で80%程度、中学校で50%程度の割合の授業について、AETと教員のティーム・ティーチングを行う指導体制をめざしていきたいと考えております。
2問目意見
文法などの授業バランスを考えると、100%までは目指さないということを理解しました。将来的な目標を実現するには、財源的にもさらに億単位で必要となってくると思われます。1問目でお聞きしましたが、効果検証をあいまいにしないためにも、定量的効果検証の手法をよくよく考えて実施していただくよう要望いたします。小学校での外国語教育については保護者の要望の高い施策ですが、社会学の見地からは、外国語学習は早ければ早いほど良いとは必ずしも言えないのが現状です。それゆえに、証拠に基づく政策立案(EBPM)の見地からこの事業の定量的な検証が精緻にされるべきだと重ねて申し上げてこの質問を終わります。