熊本発祥の自治体財政シミュレーションゲーム「SIM2030」を北九州で体験することができました。
人口減少・少子高齢社会の進行で税収減と社会保障費増という厳しい状況を迎える自治体の財政運営をゲームで考えるのがSIM2030です。
まず、講師の今村寛先生(福岡市経済観光文化局創業・立地推進部長)から財政に関する出前講座として「財政健全化ってなんだろう」というテーマで講義がありました。内容は福岡市の財政構造やこれまでの健全化の取り組み、今後の財政見通しと健全な財政運営に向けた取り組みについてでした。政令指定都市の福岡市とわが豊中市ではもちろん財政規模は違うわけですが、増え続ける社会保障関連経費や公共施設の維持管理費等の維持保全長寿命化費用の増大など共通する課題が多く、福岡市の取り組みは豊中市の財政運営の参考になるものです。
休憩のあとは、いよいよSIM2030のゲーム開始です。
ゲームの詳しい内容についてはネタバレになるので差し控えますが、増え続ける社会保障関連経費の財源を捻出するために既存事業を見直しつつ、市で解決すべき新しい課題にも対応していくことが必要となってきます。同じテーブルについた初対面の方々と制限時間が厳しいなかで議論をし決断をしていくことはとても難しくあっという間に時間が過ぎていきました。ゲームに実際に参加してみると全体最適を実現するためにどのようなことをしなければならないかを実感でき、とてもよく作りこまれていると実感しました。なお私が実際に議会で見直しを求めているのですがなかなか無くならない事業と同種のものがゲームの中で他のメンバーの意見によってあっさりと事業廃止になったのには驚きました。
SIM2030については、私がこのゲームを知るきっかけとなった雑誌「地方財務」2015年8月号の記事に概要が記載されています。
SIM2030がこれからの厳しい地方財政を考えるために極めて有用なツールであることを実感いたしました。(写真は講師の今村氏)